女性入居者に関する賃貸住宅管理の難しさ

私は小規模の賃貸住宅を経営しております。これに就いて、皆さんに話し意外と思われることがいくつもあり、今時だからかの詮索はここに問わず、若い女性の入居者さんはあまり扱いよくなかったりします。特に本人のプライベートや勤め先などは未知にせよ、借りている四辺の室に対するつきあいは、苦手では済まず困ってしまう場合が多い。一言で説明するなら、とにかく孤立しがち。共通の設備更新などで連絡をしたくとも、誰よりも遅い。

更には本人が雨漏りなど、予期せぬ修繕の依頼をしても、様子見に賃貸住宅オーナーの立ち入りさえ(なぜか)難色を示し、だからと放置しておけば、何日か明かりさえ灯らないのを不審がり、やむなく窓へ近寄り確認したら荷物の影もなく、開錠してみれば夜逃げの積り、でいなくなっている。そうでなくとも中高齢の男性なら気安く立ち入ってもその時に室内が確認可能ですが、それもはばかられるまま退去時にやっと初めてみた途端、とんでもないごみ屋敷状態になっているとか。

そんな中で最も困惑したケースは、ごらんのとおりつきあいが希薄すぎ、私の賃貸住宅では他室が高齢・あるいは病弱だったりの中、もしやの孤独死などを回避しうる程度の気配りさえ、決して少なくない女性入居者さんでは無理になっていることかも知れません。そして恐ろしいことですが、以前から肺炎で入退院を繰り返していた高齢の方が、戸口付近で喀血し、その血が共用部の廊下に流れていて、それを知りながら《彼女》は誰にも連絡しない事件さえ生じました。……翌朝、別室の人がその事実を私に報せた頃は手遅れで、既に命はない。賃貸住宅に住まねばならぬ社会事情の以上、せめてこんな事態でも尚、孤立が善いと思わないでくれたなら、拙文の意味もあったでしょうか。